・温度と熱の違いって何?
・絶対温度って何?
今回は、上のような疑問を解決していきます。
受験生でも、『熱と温度の違い』について聞かれると、説明できない人がたくさんいますが、説明できない人は危険信号です。
この記事を機会に、熱と温度の違いを説明できるようにしておきましょう!
✔この記事の内容
・熱と温度の違い
・絶対温度と摂氏の違い
・物理における絶対温度は気体分子の運動エネルギーの平均値
熱と温度の違いとは?
日常生活でも、熱と温度を区別しないで使っている人が多いですよね。
例えば、風邪をひいたとき、熱があったら温度が高いみたいに使いますが、物理の世界では、2つの違いをしっかり区別しておくことが大切なのです。
ココがポイント
・温度・・・気体分子の熱運動の激しさ
熱はエネルギーのこと
熱とは、高温の物体から低温の物体へ移動する熱運動のエネルギーのことを言います。
エネルギーということは、単位は[J]ですか?
そうだよ!熱は仕事とかの単位と同じなんだ!
さらに、熱は高温の物体から低温の物体へ移動するという性質があります。
例えば、氷をにぎっていると氷が解けるけれど、これは手(高温)から氷(低温)に向かって熱(エネルギー)が移動して氷の温度が上がったからですね!
今まで、エネルギーの授受は、仕事(力×距離)でしかできなかったけれど、熱は仕事とは違った形でエネルギーの授受ができるのは面白いね!
温度は熱運動の激しさを表す!
我々が、生活している空間には、酸素や窒素などの気体分子が、あちこち飛び回っています。
その運動の激しさを表す言葉が、温度です。
例えば、『気温が高い』なら、気体分子の熱運動が激しい、みたいになります。
物理世界では、温度を表す言葉として、絶対温度を使うね!
温度を表す言葉には、主に『摂氏℃』と『絶対温度K』の2つが使われています!
摂氏と絶対温度
【共通点】
メモリの刻みが同じ
【相違点】
摂氏は基準が氷が解ける温度で、絶対温度は気体の熱運動が止まる温度
摂氏と絶対温度は、どちらもメモリの刻みが同じなので、摂氏で1℃上がれば絶対温度でも1K上昇します。
一方、2つの違いは基準の取り方にあり、摂氏は基準が氷が解ける温度が基準なのに対し、絶対温度は気体の熱運動が止まる温度が基準になっています。
絶対温度の基準(0[K])のことを絶対零度というんですよね!
つまり、絶対零度では、気体分子の熱運動が停止するので、それ以下の温度は存在しないので、注意しましょうね!
さらに、摂氏\(t℃\)と絶対温度\(T[k]\)の間には、
$$T=t+273$$
の関係式があります!
例えば、27℃であれば、絶対温度では273を足した300[K]になります。
2つの温度を比較したときは、必ず絶対温度の方が大きな値になります!
ココがポイント
物理で温度は気体分子の運動エネルギーの平均値のこと
今までの話は、物理基礎の範囲の話でしたが、物理の範囲では、温度は気体分子の運動エネルギーの平均値のことを言います。
ちょっと意味が分からないのですが。
物理の範囲では、絶対温度は以下のような式が登場します。
$$\frac{1}{2}m\overline{v^2}=\frac{3}{2}k_BT$$
\(k_B\)をボルツマン定数といい、右辺は絶対温度T以外は定数なので、絶対温度は運動エネルギーの平均値ということができます!
導出は、入試問題として頻出だから、しっかり練習しておこう!
まとめ:熱と温度の違いをしっかり理解しておこう!
今回は、熱と温度の違いと絶対温度について話してきました。
ココがポイント
・温度・・・気体分子の熱運動の激しさ
この2つの違いと、絶対温度について説明できるようにしておきましょう!
さらに、絶対温度の導出は、物理の範囲で大学入試の頻出問題になっていますので、何も見ずに解けるようにしておくことが大切ですよ。