保存力と非保存力って何ですか?
こんな悩みを解決していきます。
意外と知らない人が多い『保存力』と『非保存力』ですが、物理の成績を伸ばしたければ絶対知っておく必要があります。
なぜなら、2つの力の違いがわからないと、この先エネルギー保存と力学的エネルギー保存の法則の違いがわからなくなり、入試で減点される恐れがあるからです。
そこで今回は、この先のエネルギー保存で詰まらないためにも、保存力と非保存力の違いについて勉強していきましょう。
目次
保存力と非保存力の違いとは?【具体例を紹介】
それでは、保存力と非保存力の違いについて説明していきます。
物理の世界では、力の種類は大きく以下の2つに分けられます!
ポイント
保存力・・・重力、弾性力、静電気力、万有引力
非保存力・・・上以外の力
それぞれを簡単に見ていきましょう。
その①:保存力の仕事は基準からの距離で変化する
保存力とは、仕事が経路によらない力のことを言います!
どういうことですか?
例えば、重力\(mg\)のする仕事は\(mgh\)で表せるよね。このエネルギーは、どんな道筋をたどっても、基準からの変化のみによって決まるんだ!
例えば、左の図のようにまっすぐ物体を持ち上げても、右の図のように途中寄り道しても、エネルギーはどちらも同じになります!
このような力を、保存力といいます。
保存力は、重力、弾性力、静電気力、万有引力の4つがあるので覚えておきましょう。
重力、弾性力、静電気力、万有引力のエネルギーはすべて、位置エネルギーを定義できることも覚えておこう!
保存力とは
・入試に出るのは重力、弾性力、静電気力、万有引力の4つ!
・その力による位置エネルギーを定義できる!
・仕事は移動した経路によらない!
その②:非保存力は移動した経路で仕事がきまる
非保存力とは、保存力(重力、弾性力、静電気力、万有引力)以外の力のことを言います!
非保存力、何か思いつくかい?
摩擦とか、張力とか垂直抗力です!
いいね!非保存力がする仕事は、保存力とは違って経路によって変化するんだ!
非保存力とは
・重力、弾性力、静電気力、万有引力以外の力のこと
・仕事は移動した経路による!
【注意】意外と知らない力学的エネルギー保存則と保存力の関係
いきなりだけど、『力学的エネルギー保存則』と『エネルギー保存則』の違いって説明できるかい?
えーーーっと、、、
実は、この違いを知らないと、試験で減点される可能性があるんだ!
受験生でも、区別しないで使っている人が、たくさんいますが、知らないと試験で減点される可能性がありますので、定義を確認しておきましょう!
2つの違い
・力学的エネルギー保存則・・・力学的 (運動エネルギー、位置エネルギー)なもののみ
・エネルギー保存則・・・力学的エネルギー+光、熱、音など
力学的エネルギー保存則の定義は、
『運動エネルギー+保存力のする仕事』において成り立つ規則ということです!
どういうことですか?
例えば、摩擦などの『非保存力がする仕事』が入ってる式に、”力学的エネルギー保存則より”と書くと間違いなんだ!
なるほど!摩擦などの「非保存力の仕事」が入っている場合には、”エネルギー保存則より”と書かなくてはいけないのですね!
ポイント
非保存力のする仕事が入っている式は、力学的エネルギー保存則ではなく、エネルギー保存則である
まとめ:保存力と非保存力の違いと具体例を覚えておこう!
今回は、保存力と非保存力の違いと力学的エネルギー保存則とエネルギー保存則について説明しました!
言葉の定義や、力の分類を知らないと、記述で減点されるだけではなく、式の立て方も間違ってしまう可能性があります。
大したことないように見えますが、すごい大切なことなので、しっかりと覚えておきましょう!
そして、今回の保存力と非保存力の話は、力学的エネルギー保存則にも関係してきます。
周りの受験生と差がつく力学的エネルギー保存の法則の導出は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
関連記事【力学的エネルギー保存則が使えるのはどういう時?公式が使える2つの条件を徹底解説!】