えっ?!気体の状態方程式はいつでも使えるって教わったのですが、ウソなのですか?!
参考書とかにも詳しく書いてないことが多いから、学校の先生や予備校の先生でも知らないことが多いんだ!
実際、ほとんどの参考書には『気体の状態方程式はいつでも使える』と書いてありますが、実際はウソです!
それでは、どういう時に気体の状態方程式が使えないのか、見ていきましょう。
✔この記事の内容
・状態方程式が使えない状態
・ポアソンの式と状態方程式は一心同体
【結論】熱平衡のときしか気体の状態方程式は使えない!
熱平衡とは、気体の状態がムラのない均一な状態のことを言います。
例えば、2つの容器を接触させた状態にして、片方に高温のお湯、もう一方に氷水を入れて放置すると、どちらもぬるくなりますよね。
このように、熱は高温の物体から、低温の物体に向かって移動する性質があります。
この熱の移動が止まった、ムラのない状態を、『熱平衡』というわけですね!
実は、この熱平衡状態でないと、気体の状態方程式は立てることができないのです!
どうしてですか?
例えば、容器の中に入っている気体にムラがあったら、場所によって温度が違うから、温度が一定に決まらないよね!
つまり、熱平衡でない場合には、気体の温度が一定に決まらないので、気体の状態方程式は使えないわけです!
ココがポイント
【おまけ】ポアソンの式も熱平衡状態でないと使えない!
断熱のときのみに使うことができる式に、ポアソンの式と呼ばれる式があります!
【ポアソンの式】
$$・PV^\gamma=(一定)$$$$・TV^{\gamma-1}=(一定)$$
※\(\gamma\)を比熱比と呼び、\(\gamma=\frac{C_P}{C_V}\)
多くの人は、断熱変化であれば使えると思っている人が多いですが、実は断熱変化であると同時に、熱平衡状態でないと使うことができません。
というのも、ポアソンの式は『熱力学第一法則』と『気体の状態方程式』から導出されるので、気体の状態方程式が使える、つまり熱平衡状態でないと、そもそも導出できないからです。
ポアソンの式の導出は、めったに出ることはないので、詳しい導出は説明しませんが、気になる方は調べてみてください。
ココがポイント
まとめ:物理の本質から公式が使える条件を理解しよう!
今回は、気体の状態方程式が使えない場面について話してきました。
熱力学の分野で、ほとんどの場合は気体の状態方程式を使うことができますが、難関大を受けたりする人は、『今考えている場面が熱平衡かどうか』考える必要があります。
先生でも知らないことが多いので、公式が使える条件をしっかりと押さえておきましょう。