・第二宇宙速度って何?
・脱出速度ってどーやって求めればいいの?
今回は、上のような疑問についてくわしく解説していきます。
✔この記事の内容
・第二宇宙速度とは??
・脱出速度の求め方(導出)
・生命と第二宇宙速度の関係
第二宇宙速度とは地球から逃げる速度=脱出速度
万有引力は地球上のみならず、地球周辺の宇宙空間にある物体にも働き、地球に引き寄せてしまいます。
引力が働くから、地球に流れ星とかが落ちてくるんだよね!
この万有引力は、当然ながら地球から宇宙に出る時にも働くわけです。
すると疑問が浮かびます。
ウルトラマン、どーやって宇宙に帰っていくねん!!
でも少し賢い人ならわかるはずです。
めっちゃ速いスピードで、宇宙に行けばいいんですよね!
ですが、その速度はどれくらいになるのでしょうか。
実は、その速度のことを『脱出速度』といい、物理の世界では第二宇宙速度とよばれます!
言い換えれば、その星の引力圏を脱出するための最小速度のことです。
それでは、どれくらいの速度になるのか、実際に計算してみましょう!
【証明】第二宇宙速度(脱出速度)の求め方
ウルトラマンが地球を脱出するときの速度を\(v_{ese}\)とします。
脱出速度は、無限遠方に来たら止まるぎりぎりの最小速度なので、エネルギー保存の式は
・地球を脱出するとき
・無限遠方にて速度が0(静止)
の2点で立てることができます。
エネルギー保存の式より
$$\frac{1}{2}m{v_{ese}}^2+(-G\frac{Mm}{R})=\frac{1}{2}m{0}^2+(-G\frac{Mm}{∞})$$
$$\frac{1}{2}m{v_{ese}}^2+(-G\frac{Mm}{R})=0+0$$
$$\therefore v_{ese}=\sqrt{\frac{2GM}{R}}=\sqrt{2gR}$$
となります。
第二宇宙速度は、質量には依存せず、惑星の大きさや重力加速度に依存することがわかるね!
この式に、\(g=9.8\),\(R=6.4×10^6\)を入れて計算すると、第二宇宙速度は\(1.12×10^4m/s\)になります。
つまり、ウルトラマンは1秒間に11km以上の速さで地球を脱出していることがわかりますね(笑)
時速に換算すると、39,600km/hですね、、
とんでもないです
もし、地球にウルトラマンがいて、このくらいの速度で脱出したら、衝撃波が生まれて逆に町が粉々になるから、もはや悪者だよね(笑)
地球に生命が存在するわけ【第二宇宙速度との意外な関連性】
先ほど第二宇宙速度は、惑星の大きさによって決まる値という話をしましたが、実は地球に生命が存在するのは、地球の大きさが程よいからなのです。
どういうことですか?
もし、地球に空気がなかったら、生命は生きていけないよね?
それはそうですけど、第二宇宙速度と何か関係があるのですか?
実は空気の動く速度が、第二宇宙速度よりも遅いから、宇宙空間に漏れることなく、空気は地球上に存在できるんだ!
つまり、第二宇宙速度(脱出速度)が気体の分子運動よりも大きいから、空気が地球上に存在できているのです。
意外と、第二宇宙速度は我々の身近なところでも、影響していることがわかりますね!
まとめ:第二宇宙速度を求められるようにしよう!
今回は、第二宇宙速度について話してきました。
ココがポイント
$$v_{ese}=\sqrt{2gR}$$
この式は、丸暗記するのではなく、エネルギー保存の式から導けるようにしておきましょう!
導けるようにしておくことで、万有引力や言葉への理解が深まりますよ!