・運動量と運動エネルギーの違いって何?
・力積と仕事は似ているの?
・運動量と力積の関係の導出はどうやるの?
今回は、上のような疑問を解決していきます!
この記事を読めば、運動エネルギーと運動量、仕事と力積が似た者同士であることがわかり、力積の理解が深まりますよ!
✔この記事の内容
・運動量と運動エネルギーの違い
・仕事と力積の関係
・運動量と力積の関係の導出
運動量は運動の勢いを表す量のこと
運動量\(m\vec{v}\)は、質量と速度の積で、運動の勢いを表す量のことをいいます。
同じ速さでも、人と車がぶつかるのでは、運動の勢いが違うよね!
運動エネルギーとは違うのですか?
運動エネルギーは、スカラー(大きさ)で、運動量はベクトルなんだ!
実は仕事と力積は似た者同士!
さっき『運動量』は、『運動の勢い』って話したけれど、この運動量を変えるためには、力\(F\)と時間\(t\)が必要なんだ!
勢いを変えるのに、力と時間が関係しているのですか?
例えば、『野球』でボールの向きや勢いを変えるには、バットに当てて向きや勢いを変えるよね?そんな感じで、力と力を加えた時間によって、運動の勢いは変化するんだ!
上のように、『力\(\vec{F}\)がどのくらいの時間\(\Delta t\)、どの方向にかかったか』という運動量の変化のことを、力積といい、下のように書くことができます!
力積=運動量の変化
$$\vec{I}=\vec{F}×\Delta t$$
(力積)=(力)×(力をかけた時間)
なんかこの形、見たことないかい?
あ!仕事\(W=F×x\)の形に似ています!
正解!仕事は、『力をかけた方向に、どのくらい移動したか』でエネルギーを表していたね!
並べてみると、仕事と力積は似ているね!
運動量と力積の関係の公式を導出
前のところで、運動量(運動の勢い)を変化させるには、力積(力をどの方向にどれだけの時間かけたか)によって変化する話をしてきました!
それでは、実際に運動量と力積の関係を調べてみましょう。
※物理は導出をやったかで周りと差がつきますので、自分で手を動かして何度もやりましょう!
導出:運動量と力積の関係
まずは、運動方程式を立てます。
$$m\vec{a}=\vec{F}$$
次に、右辺に『力積』を作りたいので、両辺に\(\Delta t\)をかけましょう!
$$m\vec{a}×\Delta t=\vec{F}×\Delta t$$
次は、加速度\(\vec{a}\)に\(\frac{\Delta \vec{v}}{\Delta t}\)を代入します。
加速度は、単位時間当たりの速度変化のことだから、\(\vec{a}=\frac{\Delta \vec{v}}{\Delta t}\)とかけるね!
$$m\vec{a}×\Delta t=\vec{F}×\Delta t$$
に\(\vec{a}=\frac{\Delta \vec{v}}{\Delta t}\)を代入して、
$$m\Delta \vec{v}=\vec{F}×\Delta t$$
\(\Delta \vec{v}\)は、速度変化のことなので、
$$\Delta \vec{v}=v_2-v_1$$を代入して、
$$m(v_2-v_1)=\vec{F}×\Delta t$$$$mv_2-mv_1=\vec{F}×\Delta t$$
となり、運動量と力積の関係の式が出てきました!
$$mv_2-mv_1=\vec{F}×\Delta t$$
この式をみると、運動量は力積(力がどのくらいの時間かかったか)によって変化することがわかります。
つまり、2地点の時間が与えられた(知りたい)ときに、使うことができますね!
運動量と力積の関係
$$mv_2-mv_1=\vec{F}×\Delta t$$
運動量は力積(力がどのくらいの時間かかったか)によって変化することから、主に2地点の時間が与えられた(知りたい)ときに使うことができる。
まとめ:運動量と力積の関係を導出できるようにしておこう!
今回は、以下の内容について話してきましたね!
✔この記事の内容
・運動量と運動エネルギーの違い
・仕事と力積の関係
・運動量と力積の関係の導出
まとめると、以下のようになります。
ココがポイント
・仕事は、力がどのくらいの距離移動したかで、力積は、力をどれくらいの時間かけたか
・運動量と力積の関係の式は、主に2地点の時間が与えられた(欲しい)ときに使う
この範囲は苦手な人が多いですが、使い方や基本的な言葉の定義を知っていれば、つまずくことはありません。
導出も含めて、よく復習しておきましょう!