電磁気の最初で『電場』について習ったけどイマイチ理解できないんだけどどうすればいいですか??
先輩たちも『電場』の理解につまずいていたけど、力学と比較すれば簡単にわかるよ!
電磁気の最初で習う電場ですが、『なんとなく』で理解している人が多いですよね。
確かに電場は見えないものなので、理解したりイメージするのは大変ですが、力学と比較すれば簡単に理解することができます!
そこで今回は、電場について力学と比較して紹介していきます!
電場の前にまずはクーロンの法則
電気には、プラスの電気とマイナスの電気の2種類があります!
同じ電荷をもつもの同士は『反発』し、異種の電荷を持つもの同士は、お互いに『ひきつけあい』ます。
反発したり、ひきつけたりする力の大きさは、電荷の大きさとお互いの距離によって変化する、という法則のことを、クーロンの法則といいます!
クーロンの法則
2つの間に働く静電気力は
(大きさ)$$F=k\frac{|q_1||q_2|}{r^2}$$
(向き) \(q_1,q_2\)が異符号なら引力、同符号なら斥力
クーロンの法則の公式の中にある\(k\)は、クーロン定数というもので、周りの媒質によって決まります!
電場の『場』とは何か
さて、それでは今回のメインである、電場について考えていきましょう!
はるか昔、電気が発見されたときに、クーロンの法則のような、電気は引き合ったり反発するということがわかっていました。
しかし、その力が手で触って直接力を加えているような『接触力』なのか、『それ以外の力』かわからなかったわけです。
ここで、物理世界で有名なニュートンさんは、粒子同士が瞬間的に直接、力を及ぼしあって力が働く、と考えたのです。
つまり、電荷から『何か見えない手』のようなものが、直接もう一方の電荷に力を加えてると考えたわけですね!
その通り!けれど、その考え方はすぐに違うと証明されたんだ。
というのも、クーロンの法則には『力の変化にはタイムラグ』があるとわかったからなんだ!
例えば、プラスとマイナスの電荷を、少し離して同じ空間に置いてみましょう。
電荷を置くと、当然ひきつけ合ってどんどん近づいてきますよね。
このとき、片方の電荷を違う場所に動かすと、『時間差で』もう一方の電荷も、動かした電荷の方に動き始めます。
もし電荷が、もう一つの電荷に直接力を加えているのであれば、お互いがつながっているので、力の変化にタイムラグはないはずですよね??
だから、ニュートンの、電荷が直接力を加えている『接触力』という考え方が違うとわかり、『それ以外の力』が原因だということが分かったわけです。
では、『それ以外の力』って何なのですか??
実は、電荷が空間の様子を変化(『場』を生じ)させて、他の粒子が『場』から力を受けるということがわかったんだ!
この、電荷が作る場のことを、電場といいます!
イメージとしては、電荷がバリアのような目に見えない『場』を作って、もう一つの電荷に影響を及ぼしている、ということです。
さらに電場について理解するために、力学の重力と比較してみましょう。
電磁気と力学の比較
重力と電場の比較
重力・・・質量が重力場から受ける力
電磁気力・・・電荷が電磁場から受ける力
青字で書いた質量や電荷は、『粒子自身の持ち物』であり、一方で赤字で書いた重力場や電磁場は、『空間の持ち物』です。
つまり、力学で重力加速度\(g\)を使うかと思いますが、電場は電磁気の世界での、重力加速度\(g\)と同じ役割なのです!
力学で出てくる重力場\(g\)と、電磁気で使う電場\(E\)の役割は同じ!!
そんな電場には、大きく分けて2種類の電場があります。
電場には2種類ある!
ここまで、電場について説明してきましたが、電場には2種類の電場があります。
電場の種類
・一様な電場
・一様でない電場(点電荷が作る電場)
力学と比較しながら、2種類の電場について説明していくので、しっかりと理解していきましょう!
1.一様な電場
まずは、一様な電場について説明していきます!
一様な電場とは、空間全体の電場の強さが同じ、ということです。
まず力学の復習です!
質量が\(m\)の物体を、重力場のある地球などの空間に置くと、『場』と同じ方向に\(F=mg\)の力がかかりますね!
先生!さすがにこれは大丈夫です!(笑)
では、次は電磁気バージョンを見てみましょう!
電荷が\(q\)の物体を、一様な電場のある空間に置くと、『場』と同じ方向に\(F=qE\)の力がかかります!
なるほど!プラスの電荷だと『電場と同じ方向』に力を受けて、マイナスの電荷だと『電場と逆方向』に力が働くのですね!
力学の世界も電磁気の世界も、粒子が受ける力は(粒子の持ち物)×(空間の持ち物)という式になっているね!
電場が\(E\)の大きさの空間に、電荷の大きさが\(q\)の電荷を置くと
【大きさ】$$F=qE$$
【向き】プラスの電荷は電場の向きに、マイナスの電荷は電場と逆向き
上の式を見ればわかるけど、\(q\)が\(+1\)クーロンのとき、静電気力\(F\)は電場\(E\)と等しくなるね!つまり、その場所での電場の向きと大きさが知りたければ、その場に\(+1\)クーロンを置いてあげればいいんだ!
電場の大きさや向きが知りたければ、その場に\(+1\)クーロンを置く!!
2.一様でない電場(点電荷が作る電場)
続いては、一様でない電場について説明していきます!
一様でない電場とは、重力場のように地球上どこでも同じ場ではない、ということです。
つまり、電場を作っている電荷からの距離が変わると、電場の強さも変わる、ということです!
一様でない電場は、点電荷によって作られるので、まずは例題を見てみましょう。
さて、電荷\(-q\)が点Pに作る電場について聞かれています。
電場が知りたければ、その場所に\(+1\)クーロンを置く、でしたね!
\(+1\)クーロンを置くと、電場の向きと大きさがわかりますが、2つの電荷は異符号なので、\(+1\)クーロンは\(-q\)の方向に力を受けます!
つまり、\(-q\)が作る電場の向きは、上図のようになります。
また、その時に受ける力は、電場と等しくなるので、クーロンの法則より
$$F=k\frac{|-q||+1|}{r^2}=E$$
となります。
このように、点電荷が作る電場の大きさは、知りたい場所に\(+1\)クーロンを置く、だけでクーロンの法則から求めることができるのです!
まとめ
今回は、電場について力学と比較しながら紹介してきました!
今回のポイントをまとめると以下のようになります。
まとめ
1.『電場』とは、電荷が空間に作る『重力場』のようなものである。
2.電場には、一様な電場と一様でない電場の2種類がある。
3.ある地点において、電場の大きさが知りたければ、その場所に\(+1\)クーロンを置くと、クーロンの法則から向きと大きさがわかる。
電場についてイメージがわかなかった人や、イマイチ電場について理解があいまいだった人は、今回の記事で理解が深まったのではないでしょうか。
この記事を何度も読み返して、電場への理解を深めてくださいね!
今回は以上です。