すごい、見出しが気になるんですけど、、、
よく問題に糸が出てくるけど、ほとんどが『軽い糸』って書いてないかな?
言われてみれば書いてありますね
じゃあ、下の問題のような場合、君ならどうする??
例題
2つの物体を接触させた状態で、滑らかな床の上に置いた。物体Aの質量をm、物体Bの質量をMとする。左側にある物体Aと物体Bを質量wのロープでつなぎ、物体Bを図の向きにFの大きさで引っ張った。このとき、全体の加速度の大きさはいくつになるか。また、A,Bにかかる糸の張力の大きさは、それぞれいくつか。
先生!馬鹿にしないでくださいよ!答えはこうです!!
ああ。やってしまったね。どこが間違っているか、君はわかるかい?
まだ前回の記事を読んでいない人は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事運動方程式をあなたは本当に理解できてる??運動方程式を理解して力学の点数を爆上げする
目次
例題
例題
2つの物体を接触させた状態で、滑らかな床の上に置いた。物体Aの質量をm、物体Bの質量をMとする。左側にある物体Aと物体Bを質量wのロープでつなぎ、物体Bを図の向きにFの大きさで引っ張った。このとき、全体の加速度の大きさはいくつになるか。また、A,Bにかかる糸の張力の大きさは、それぞれいくつか。
普通、物理の問題の99%は、糸が出てきても『軽い糸』を使うので、糸の質量は0とみなしても良いのです。
しかし、今回は、質量wのロープと書いてあるため、『糸自体も質量を持つ』ということになります。
ここで、運動方程式を思い出してください。
$$\LARGE m\vec{a}=\vec{F}$$
運動方程式は、着目物体の質量mが0であれば、立てる必要がなくなりますが、今回ロープは質量wを持ちます。
なので、今回はこの糸(ロープ)も着目物体として、運動方程式を立てなくてはいけないのです!
ポイント
質量を持つ糸には、運動方程式を立てなくてはいけない!
なので、ロープが物体A,Bそれぞれから引っ張られる力が、必ず等しくなるとは限らないのです!
問題の解法
力の描き方
1.着目物体の数だけ図を描く!
2.場から受ける力(重力や静電気力)を描き込む!
3.他物体との接触点に印をつけ、そこを根本として、物体が受ける接触力のみを描く!
力学の問題の初めは、必ずこれでしたよね!
今回の問題には、重力や垂直抗力が絡んでこないので、図がごちゃごちゃするのを防ぐために省略します。
はい!それでは、上の方法で力を描いていきましょう!
着目物体の数だけ図を描く!
今回、ロープも着目物体に入るので、図は3つです!
着目物体を実線で、隣接している物体は点線で描きました!
他物体との接触点に印をつけ、そこを根本として、物体が受ける接触力のみを描く!
力を描き込むときには、『着目物体が受ける力』を描きましょう!
『受ける力』だから、引っ張られる、見たいに隣接している物体から受ける力を描けばいいんだね!
そうだね!そして今回は、ロープが物体A,Bから受ける力を\(T_1,T_2\)としたよ!
運動方程式を立てる!
ポイント
運動方程式を立てるときには、加速度方向を正方向として軸を決め、軸と同じ方向の力はプラス、逆ならマイナスとして考えよ!!
まずは、加速度方向に軸を立てますが、今回は右向きに動くので、右方向を正方向としましょう!
図を見て、軸と同じ方向の力はプラス、逆ならマイナスとして考えればいいので、
・物体Aについて$$ma=T_1・・・➀$$
・物体Bについて$$Ma=F-T_2・・・➁$$
・ロープについて$$wa=T_2-T_1・・・➂$$
➀➁➂すべてを足すと、
$$a=\frac{F}{M+m+w}$$
➀より
$$T_1=\frac{mF}{M+m+w}$$
➁より
$$T_2=\frac{(m+w)F}{M+m+w}$$
となります!
ロープ(質量のある糸)の両側にかかる張力は?
さっきの答えを見てみよう!
$$T_1=\frac{mF}{M+m+w}$$
$$T_2=\frac{(m+w)F}{M+m+w}$$
あ!!ロープの両側にかかる張力が違います!
これでわかったね!糸が質量を持っているときは、両側の張力を勝手にTとか置いちゃダメなんだ!
ポイント
糸が重さを持つときは、両側の張力が異なる!
それじゃあもし、糸の質量がない(軽い糸)だったら?
ロープについて立てた、➂の式を見てごらん!
$$wa=T_2-T_1・・・➂$$
もし、ロープに質量がなければw=0になるから、➂にそれを代入すると、、、
あ!\(T_1=T_2\)になります!
これでやっと、軽い糸だと両側で張力が等しくなるってわかったね!
まとめ
今回は、『糸に質量があったら』どうなるかということについて考えてきました!
まとめると、以下のようになります!
まとめ
・質量を持つ糸⇨糸も着目物体として、運動方程式を立てなくてはいけない!
・軽い糸⇨糸の両側にかかる張力は同じ!
何でもないようなことですが、他の受験生と差がつくところなので、しっかりとできるようにしておこう!