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【6割以上が騙される】物理の軽い糸問題に隠された秘密とは!?

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悩んでる人

すごい、見出しが気になるんですけど、、、

よく問題に糸が出てくるけど、ほとんどが『軽い糸』って書いてないかな?

塾長
悩んでる人

言われてみれば書いてありますね

じゃあ、下の問題のような場合、君ならどうする??

塾長

例題

2つの物体を接触させた状態で、滑らかな床の上に置いた。物体Aの質量をm、物体Bの質量をMとする。左側にある物体Aと物体Bを質量wのロープでつなぎ、物体Bを図の向きにFの大きさで引っ張った。このとき、全体の加速度の大きさはいくつになるか。また、A,Bにかかる糸の張力の大きさは、それぞれいくつか。

先生!馬鹿にしないでくださいよ!答えはこうです!!

ああ。やってしまったね。どこが間違っているか、君はわかるかい?

塾長

まだ前回の記事を読んでいない人は、以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事運動方程式をあなたは本当に理解できてる??運動方程式を理解して力学の点数を爆上げする

例題

例題

2つの物体を接触させた状態で、滑らかな床の上に置いた。物体Aの質量をm、物体Bの質量をMとする。左側にある物体Aと物体Bを質量wのロープでつなぎ、物体Bを図の向きにFの大きさで引っ張った。このとき、全体の加速度の大きさはいくつになるか。また、A,Bにかかる糸の張力の大きさは、それぞれいくつか。

普通、物理の問題の99%は、糸が出てきても『軽い糸』を使うので、糸の質量は0とみなしても良いのです。

しかし、今回は、質量wのロープと書いてあるため、『糸自体も質量を持つ』ということになります。

ここで、運動方程式を思い出してください。

$$\LARGE m\vec{a}=\vec{F}$$

運動方程式は、着目物体の質量mが0であれば、立てる必要がなくなりますが、今回ロープは質量wを持ちます。

なので、今回はこの糸(ロープ)も着目物体として、運動方程式を立てなくてはいけないのです!

ポイント

質量を持つ糸には、運動方程式を立てなくてはいけない!

なので、ロープが物体A,Bそれぞれから引っ張られる力が、必ず等しくなるとは限らないのです!


問題の解法

力の描き方

1.着目物体の数だけ図を描く!

2.場から受ける力(重力や静電気力)を描き込む!

3.他物体との接触点に印をつけ、そこを根本として、物体が受ける接触力のみを描く!

力学の問題の初めは、必ずこれでしたよね!

今回の問題には、重力や垂直抗力が絡んでこないので、図がごちゃごちゃするのを防ぐために省略します。

はい!それでは、上の方法で力を描いていきましょう!


着目物体の数だけ図を描く!

今回、ロープも着目物体に入るので、図は3つです!

着目物体を実線で、隣接している物体は点線で描きました!


他物体との接触点に印をつけ、そこを根本として、物体が受ける接触力のみを描く!

力を描き込むときには、『着目物体が受ける力』を描きましょう!

『受ける力』だから、引っ張られる、見たいに隣接している物体から受ける力を描けばいいんだね!

そうだね!そして今回は、ロープが物体A,Bから受ける力を\(T_1,T_2\)としたよ!

塾長

運動方程式を立てる!

ポイント

運動方程式を立てるときには、加速度方向を正方向として軸を決め、軸と同じ方向の力はプラス、逆ならマイナスとして考えよ!!

まずは、加速度方向に軸を立てますが、今回は右向きに動くので、右方向を正方向としましょう!

塾長

図を見て、軸と同じ方向の力はプラス、逆ならマイナスとして考えればいいので、

・物体Aについて$$ma=T_1・・・➀$$

・物体Bについて$$Ma=F-T_2・・・➁$$

・ロープについて$$wa=T_2-T_1・・・➂$$

➀➁➂すべてを足すと、

$$a=\frac{F}{M+m+w}$$

➀より

$$T_1=\frac{mF}{M+m+w}$$

 ➁より

$$T_2=\frac{(m+w)F}{M+m+w}$$

となります!


ロープ(質量のある糸)の両側にかかる張力は?

さっきの答えを見てみよう!

塾長

$$T_1=\frac{mF}{M+m+w}$$

$$T_2=\frac{(m+w)F}{M+m+w}$$

あ!!ロープの両側にかかる張力が違います!

これでわかったね!糸が質量を持っているときは、両側の張力を勝手にTとか置いちゃダメなんだ!

塾長

ポイント

糸が重さを持つときは、両側の張力が異なる!

それじゃあもし、糸の質量がない(軽い糸)だったら?

ロープについて立てた、➂の式を見てごらん!

塾長

$$wa=T_2-T_1・・・➂$$

もし、ロープに質量がなければw=0になるから、➂にそれを代入すると、、、

塾長

あ!\(T_1=T_2\)になります!

これでやっと、軽い糸だと両側で張力が等しくなるってわかったね!

塾長


まとめ

今回は、『糸に質量があったら』どうなるかということについて考えてきました!

まとめると、以下のようになります!

まとめ

質量を持つ糸⇨糸も着目物体として、運動方程式を立てなくてはいけない!

軽い糸⇨糸の両側にかかる張力は同じ!

何でもないようなことですが、他の受験生と差がつくところなので、しっかりとできるようにしておこう!

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しばけん

現役時代センター試験60点台。浪人中予備校に通い神授業に出会う。旧帝大模試で物理偏差値65を叩き出し、その経験を活かして現在は塾で中学生や高校生に数学や物理を指導中。

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