学校で、電場中では、金属内部は電場が0になると教わったのですが、理由がイマイチわかりません。
そんな時は、クーロンの法則と電場の定義を思い出せば、簡単に理解できるよ!
丸暗記物理をしている人は、金属内部の電場が0になることを知っているかと思いますが、理由についてはわからない人が非常に多すぎます。
そこで今回は、なぜ金属内部の電場が0になるのか説明していきます。
前回の記事はガウスの法則の4πkQ本って何?!例題を用いてガウスの法則の定義から条件を徹底解説を参考にどうぞ。
金属の中には自由電子がたくさんある
いきなり、『金属って何?』と聞かれると、答えに困りますよね。
金属とは、自由電子を無数にもつ物体のことを言います!
自由電子は、マイナスの電気のものってわかりますが、無数とはどれくらいなのですか?
これは覚えなくていいんだけど、大体\(~10^{28}個/m^3\)くらいたくさんなんだ!
今回は、『金属内部に自由電子がたくさんある』ということが重要なので、しっかり覚えておこう!
ポイント
金属とは、自由電子を無数にもつ物体のこと
どうして電場中では金属内部の電場が0になるのか
最初に確認なんだけど、電場って何だっけ?
電場は、電荷が作る空間のことで+1[C]が空間から受ける力の大きさと向きのことです!
そうだね!つまり、電場のある場所に電荷があると、その電荷は力を受けて移動するよね。
※電場については、【電場って何?!みんながつまずく電場について力学と比較して簡単理解!!】をご覧ください。
ここで大切なのは、『プラスの電荷は、電場と同じ方向に移動し、マイナスの電荷は、電場と逆方向に移動する』ということです!
さて、上のことを踏まえて見ていこう!
上の図は、金属の内部を表しています!金属自体は、電気を帯びていないので、自由電子の数だけプラスの電気もあるので、勘違いしないようにしましょう!
さて、ここに電場をかけていくと、
こんな感じですね!電場は、金属内部にもかかるので、中にある自由電子は、マイナスの電気を持っているので、電場とは逆向きに移動します!
すると、電子とプラスの電荷はお互い逆側に移動して、逆側に溜まりますね!
この移動のことを、静電誘導といいます。
さて、金属内部で偏った電荷は、新たに+から-方向に『内部電場』を作り始めます!
金属内部に、内部電場が外部電場とは逆方向に発生することで、金属内部の電場が打ち消されます!
これが、電場中で金属内部の電場が0になる理由です。
電場が0になるまでの流れ
1.電場中に金属を置く
2.自由電子が電場とは逆向きに力を受けて移動する(静電誘導)
3.電荷が偏ったことで、内部電場が生じ、外部電場を打ち消す
【疑問】電荷移動が終わった後はどうなる?
電荷の移動が終わった金属は、以下のような状態になります!
電荷移動終了後の金属
・金属内部の電場は0⇨金属内は等電位
・電荷は、金属表面のみに分布
2つ目の、電荷が表面に分布するのはわかりますが、どうして金属内が等電位なのですか?
電位は高さみたいなもので、高さがあると物体は落ちたり移動するよね?けれど電場がないってことは、静電誘導で電荷が移動しない、それは高さ(電位差)がないから、ということができるんだ!
なるほど、じゃあ電場がないところは電位差もなく、等電位といってもいいのですね!
そうだね!そして、等電位面では電気力線が直交することも忘れちゃいけないよ!
まとめ:金属内部の電場が0になる理由は説明できるようにしておこう!
今回は、なぜ電場中では、金属内部の電場が0になるのか説明してきました!
今回の内容をまとめると、以下のようになります。
電場が0になるまでの流れ
1.電場中に金属を置く
2.自由電子が電場とは逆向きに力を受けて移動する(静電誘導)
3.電荷が偏ったことで、内部電場が生じ、外部電場を打ち消す
この内容も大事ですが、金属表面が等電位になり、電気力線と直交するという内容も、共通試験などにも出題されるので、しっかり覚えておきましょう!
今回は以上です。
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