物体に力を書き込むときに、いつもミスしてしまうのですが、どうすればいいですか?
実は、そういう悩みを持っている人は、君だけではないんだ!しっかりとコツを押さえれば間違えることはなくなるよ!
力学では、それぞれの物体に働く力を書き込むことが多くありますが、これを間違えてしまうと、大問まるまる落としてしまいます。
ですが、しっかり力の書き方を押さえることで、誰でも簡単に、しかも正確に力を書き込むことができます!
そこで今回は、力学の基礎でもある力の書き方について、詳しく紹介していきます!
まだ前回の記事を見ていない人は、以下の記事をどうぞ。
関連記事力学の間違いの8割はここ!予備校では教えてくれない力の書き方を例題とともに徹底解説
目次
力の描き方(前回の復習)
まずは、前回の復習からです!
力を描くときに気をつけるポイントは、以下の3つでしたね!
力の描き方
・着目物体の数だけ図を描く!
・場から受ける力(重力や静電気力)を描き込む!
・他物体との接触点に印をつけ、そこを根本として、物体が受ける接触力のみを描く!
前回は、例題として、以下のような問題を解きました。
例題
質量mの板が、壁に対して斜めに立てかけられて静止している。自分で文字を決定して力を描き込みなさい。ただし、地面と物体の間には摩擦が働いているものとする。
ここでは解説しませんが、上の手順で考えていけば、解けましたね!
さらに、摩擦の向きで困ったら、以下のように考えるとうまくいくのでした。
摩擦の向きはこうする!
摩擦を知りたい面を『ひだ』で置き換えて、極端にずれた時をイメージする!
摩擦を描き込むと、このような図が出来上がりましたね!
ここまでは、大丈夫です!!
今回は、さらに問題を解いて理解を深めていくよ!
力の描き方問題
例題
質量Mの物体にひもがついており、強さTで右向きに引っ張っている。さらに、質量Mの上に、質量mの物体が乗って静止している。床面は非常になめらかで、物体間には摩擦が働いているものとする。この時、それぞれの物体にかかる力を、自分で文字を定めて図示せよ。
※いつも通り、まずは自分で考えてみましょう!自分で解くことで、『解くうえで何が足りないのか』が明確になります!
それでは見ていきましょう!
着目物体の数だけ図を描く!
今回は、2つの物体が出てきているので、少し離して図を描いていきます!
こうすることで、力を描き込んだ時に、図がごちゃごちゃするのを防ぐことができます。
場から受ける力(重力や静電気力)を描き込む!
今回、場から受ける力は重力がありますので、図に描き込んでいきましょう!
他物体との接触点に印をつけ、そこを根本として、物体が受ける接触力のみを描く!
さて、最後のステップです!
まずは、接触点に印をつけて、さらに摩擦のある面にひだを付けます!
ひだが邪魔なので、まずは摩擦の向きを決定していきます!
摩擦の向きは、物体が極端にずれた場合を考えるのでしたね!
極端にずれるとは、ひもを一気に右に引っ張った場合になりますので、ひだの向きは以下のようになります。
つまり、それぞれの物体にかかる摩擦の向きは、
となります!
次は、接触点から物体が受ける力を描いていきます!
垂直抗力をN,nと自分で定め、張力と垂直抗力を描き込むと、以下のようになります。
出来ました!これで完成ですね!!
実はまだ終わりじゃないよ!2物体以上考えた時には、必ず『作用・反作用の法則』が働くんだ!
作用・反作用の法則
作用・反作用の法則とは、自分が物体を押したら、その物体も自分のことを押し返す法則のことです!
イメージがあまりつかないのですが・・
例えば、我々が床に立っているときは、我々が床を押していることになるよね!でもそれだけだと、下向きの力だけがかかるから、床を突き破ってしまうんだ。
ではどうして、床を突き破らないのですか?
それは、床が押した力の分だけ、我々を押し返しているからなんだ!つまり、『我々が物体を押すことで、床も我々を押し返している』んだね!
この図を見てみると、上の物体は下の物体から『押し返されている』ことがわかります。
つまり、作用・反作用の法則から、上の物体は下の物体を『押している』ことになります!
下の物体に『上の物体から押される力』が足りないので、その力を緑で描き込むと、
のように描くことができます!
作用・反作用の法則を忘れる人が多いから、気を付けよう!
ポイント
2物体以上の力の作図では、作用・反作用の法則を忘れない!
まとめ
今回は、力学の間違いが多い、力の作図について紹介してきました!
大事な点をまとめると、以下のようになります。
力の描き方
・着目物体の数だけ図を描く!
・場から受ける力(重力や静電気力)を描き込む!
・他物体との接触点に印をつけ、そこを根本として、物体が受ける接触力のみを描く!
本当に大切な内容ですので、しっかりと書けるようにしておきましょう!
また、作用反作用の法則を忘れてしまう人が、ほんとに多いので、気をつけましょうね。
今回は以上です。
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