・3つの摩擦の区別ができない
・摩擦の向きがわからない
物理の勉強を始めた受験生の中には、摩擦が苦手で物理が難しいと思っている人も、いるのではないでしょうか。
実は、物体に力をかけたときの動き方で、摩擦を3つの種類に分けることができます。
そこで今回は、摩擦の3つの種類と摩擦のかかる向きの判断方法について話していきます。
この記事を読めば、『摩擦の種類がわからない』『摩擦の向きがわからない』といった問題は、解決できますよ!
高校物理の摩擦は動,静止,最大摩擦の3種類!
摩擦とは、物体と物体の間に働く抵抗力のことをいい、大きく3種類に分けることができます!
- 静止摩擦力
- 最大摩擦力
- 動摩擦力
この3つの区別は、どのようにすればいいのですか?
まずは、下の図をみてみよう!
上のように、物体を右方向に向かって引っ張る場合を考える。この時、物体の状態によって摩擦の種類が変わります。
物体の状態 | 摩擦の種類 |
➀静止 | 静止摩擦力\(f=F\) |
➁滑り出す直前 | 最大摩擦力\(f=\mu N\) |
➂滑っている | 動摩擦力\(f=\mu' N\) |
\(\mu \)、\(\mu' \)のことを、それぞれ静止摩擦係数、動摩擦係数といい、面の荒さを表す定数のなっています。
摩擦って言われたら、必ず\(f=\mu N\)かと思っていました!
多くの人がやりがちなミスだね!最大摩擦力\(f=\mu N\)は動き出す瞬間しか使えないから注意だよ!
その①:静止摩擦力は力のつり合い
静止摩擦力は\(f=F\)で表されていますが、どういうことですか?
物体が静止しているときは、静止摩擦力を使うけれど、静止しているわけだから、摩擦力と力は必ずつり合うよね!
静止摩擦力は、物体が動き出すまでの摩擦力で、加えた力に比例して大きくなります!
つまり、静止摩擦力を求めたければ、つり合いの式を立ててあげればよい、ということになりますね。
摩擦力の大きさは不連続的に変化する!
上の図は、3つの摩擦力の大きさを比較したものです!
何か気が付いたことはあるかな?
動いているときの動摩擦力は、最大摩擦力よりも小さな摩擦になっています!
この図で一番大切なのは、動く直前よりも、動いている方が摩擦は小さくなるということです。
例えば、スーパーで買い物かごを押すとき、動くまでは力がいるけど、動き始めたらそんなに力はいらないよね? これも上の話が原因なんだ!
摩擦の向きはひだに置き換えて考える!
上の図で、地面と物体の間に摩擦が働いているとき、静止摩擦力の向きはどっちかわかるかな?
うーん、、、
摩擦の向きで困ったら、以下のように考えるとうまくいきますよ!
摩擦の向きはこうする!
摩擦を知りたい面を『ひだ』で置き換えて、極端にずれた時をイメージする!
今回は、板にかかる摩擦を知りたいので、板にひだをつけてみます!
この後は、板が極端にずれた場合を考えます!
極端にずれた場合とは、『摩擦がなかったらどのようにずれるか』ということです!
本来、摩擦がなければ、板はズルズルすべって、右に向かって滑りますよね。
その時、板についたひだはどのように動きますか?
あ!ひだは左に向きます!
その通り!その向きが、そのまま摩擦の向きになるよ!
よって、摩擦を描き込むと、このような図が出来上がります!
このように、摩擦の向きに困ったら、『知りたい面にひだをつけて、極端にずれた場合を考えればいい』のです!
まとめ:摩擦力の向きと使い分けができれば簡単!
今回は、物理を始めた人を悩ませる摩擦について紹介してきました。
力学の問題を解くときに、摩擦が関わってくる問題は非常に多く、扱い方を間違うと『0点』ということもあります。
ですが、今回このページで学んだことをしっかりと使いこなすことができれば、摩擦の問題で間違うことはまずありません!
摩擦が苦手な人は、このページをよく復習しておきましょう。