導出 波動 物理

負の方向に進む波の式の作り方は?たった3ステップで完結します

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悩んでる人

波の式の作り方がわからない
・式がどうやって作られているかわからない
の方向に進む波の式の作り方は?

波動の範囲って、イメージがつきにくいせいか、苦手な人が多い分野ですよね。

特に、波の式に関しては、符号がわかりづらくて難しく感じてしまいがちです。

しかし、波の式はたった3ステップで簡単に作ることができてしまうのです!

そこで今回は、参考書よりも詳しくしかもわかりやすく波の式の作り方について、話していきます。

※前回の波の式の記事をまだ読んでいない人は、正弦波の導出をわかりやすく解説!!から勉強することをおすすめします。

✔この記事の内容
・波の式の作り方はたった3ステップ
・負の方向に移動する波の式の作り方

✔この記事の信頼性
浪人時に苦手だった物理を、記述模試偏差値65以上、センター試験満点近くまで伸ばした『考え方』や『解き方』について、大切なエッセンスを『ぎゅっと』凝縮してまとめています。

(前回の復習)波の表し方は2種類ある!

そもそも、物理の世界では、波の表し方は2つあります!

【波の表し方】
➀横軸が\(x\)のグラフ(\(y-x\))グラフ
➁横軸が\(t\)のグラフ(\(y-t\))グラフ

まずは、2つのグラフの違いを知らないと、波の式は立てることができませんので、『初めて知った!』という人はしっかり勉強しておきましょう。

そして、今回波の式を立てるに使っていくのは、横軸が\(t\)のグラフである(\(y-t\))グラフです。

悩んでる人

横軸が\(x\)のグラフ(\(y-x\))グラフは波の式が立てられないのですか?

(\(y-x\))グラフは、自分で(\(y-t\))グラフに書き換える必要があるから、その方法も教えるね!

塾長

それでは、さっそく波の式を立てていきましょう!



波の式の作り方は3ステップ!

冒頭でも話した通り、波の式は3ステップで作ることができます。

波の式の作り方!

(\(y-x\))グラフは(\(y-t\))グラフに書き換える!
➁ある1点の単振動を時間の関数で表す
➂➁が位置\(x\)に届くのにどれくらいかかるか考える

それでは、実際に例題を見ていきましょう。

例題

\(x=0\)における媒質の単振動が上のように与えられたときの、時刻\(t\)における変位\(y\)を表す式を波長\(\lambda\)、周期\(T\)を用いて表せ。ただし、波は\(x\)軸負方向に\(v\)で進行するものとする。



(\(y-x\))グラフは(\(y-t\))グラフに書き換える!

今回、グラフを見てみると、最初から(\(y-t\))グラフになっているので、このステップは飛ばして大丈夫です!



➁ある1点の単振動を時間の関数で表す

今回の波は、\(x=0\)における媒質の単振動の様子が書かれています。


今回のの形は前回とは違い、振幅がAのcos関数なので、グラフから\(x=0\)における時刻\(t\)の波の変位は

$$y(0,t)=-Acos\omega t・・・➀$$

と書くことができます。

\(y(0,t)\)というのは、\(x=0\)という場所に、時刻\(t\)に発生する波の高さ\(y\)という意味だよ!

塾長

悩んでる人

どうして、波の式にマイナスがついているのですか?

波のグラフをみると、\(t=0\)では振幅が-Aからスタートしているから、波の式にもマイナスがつくんだ!

塾長



➂➁が位置\(x\)に届くのにどれくらいかかるか考える

さて、いよいよ最後のステップです。

最後は、➁が位置\(x\)に届くのにどれくらいかかるか考えていきます


ここからが前回と同じでとても大切なので、しっかり理解してくださいね!!



今回、波は左向きに移動しているので、\(x=0\)の場所から任意の位置\(x\)に到着するのに、

$$\frac{0-x}{v}$$$$=-\frac{x}{v}$$

かかります。

座標の距離を出すには、2点の座標の(大ー小)をすればいいから、道のりは\(0-x\)になるよ!そして、この下がめちゃくちゃ大事!!

塾長

つまり、位置\(x\)に、時刻\(t\)に届く波の高さは、\(x=0\)において、時刻\(t-\frac{0-x}{v}\)に発生した、波と高さが等しくなります!

時刻tになるのが、位置\(x\)としているから、位置\(x\)に到着する波は、時刻tよりも前に発生していたことから、その分の時間を引いてあげる必要がありますね。



さて、位置\(x\)に届くには、t秒よりも\(t-\frac{0-x}{v}\)秒前に、出発しなくてはいけないから、この言葉を式にすると、

$$y(x,t)=y(0,t-\frac{0-x}{v})・・・➁$$
(位置\(x\)に、時刻\(t\)に届く波の高さ)
=(\(x=0\)において時刻\(t-\frac{0-x}{v}\)に発生した波と高さ)

➀の式と➁の式を見比べて、

$$y(0,t)=-Acos\omega t・・・➀$$$$y(0,t-\frac{0-x}{v})=-Acos\omega (t-\frac{0-x}{v})$$$$=-Acos\omega (t+\frac{x}{v})$$$$=-Acos2\pi (\frac{t}{T}+\frac{x}{\lambda})・・・答え$$

となります。

最後の式変形では、\(\omega=\frac{2\pi}{T}\)を代入しているよ!

塾長



まとめ:負の方向に進む波の式の作り方

今回は、負の方向に進む波の式の作り方について話してきました。

波の式は、以下の3ステップで作ることができましたね。

波の式の作り方!

(\(y-x\))グラフは(\(y-t\))グラフに書き換える!
➁ある1点の単振動を時間の関数で表す
➂➁が位置\(x\)に届くのにどれくらいかかるか考える

今回の内容は、非常に大切なので、何度も読み込んでおきましょう!

このページが理解できた人は、

・\((y-x)\)グラフからの波の式の作り方

について話していくので、次の記事もご覧ください!

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しばけん

現役時代センター試験60点台。浪人中予備校に通い神授業に出会う。旧帝大模試で物理偏差値65を叩き出し、その経験を活かして現在は塾で中学生や高校生に数学や物理を指導中。

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